平成18年5月1日に会社法が施行されてから、それまでは、商法の規程により原則として2年と定められていた株式会社の取締役の任期が、10年までのばせるようになったことをご存知の方は多いと思います。

取締役の任期を10年にするにはどのような手続きが必要かといいますと、取締役の任期は会社の定款で定めていますので、株主総会を開催して、定款の取締役の任期の規程を変更することになります。
大抵の株式会社はこれだけやればOKです。

しかし、公開会社はこれだけでは足りません。
公開会社とは何かというと、株式を上場している会社というわけではありません。会社法上で定義されている公開会社とは、定款において、発行するすべて又は一部の株式に譲渡制限規定を設けていない会社のことです。
株式の譲渡制限規定というのは、例えば、「当会社の株式を譲渡するには、取締役会の承認を要する」といった感じの規定のことです。

取締役の任期を10年にすることができるのは、公開会社でない会社だけです。したがって、公開会社が取締役の任期を10年にするためには、前提として、定款を変更して株式の譲渡制限規定を設ける必要があります。
古くからある会社には公開会社に該当する会社が以外とあったりします。
株式の譲渡制限規定を設ける定款変更は、株主総会の決議要件が、通常の定款変更の決議要件より加重されていたり、株主に対する通知や公国が必要であったりと、取締役の任期を変更するだけの場合よりも、手続きがかなり面倒になっていますので、ご注意ください。


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